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それから自治体と社協の連携および連携手法ということでお話しさせていただきます。まず現状の認識をきちっとしていただきたいし、定期的な話し合いをもっていただきたいと思います。さらに社協の職員の方には、まさに専門性と情熱をもって人を配置していただきたいということを感じております。今、現実にいろいろな市町村社協の実態を聞きますと、ボランティアは活動経験年数が結構ありますが、そこに職員として配属される人は常に新しい人が入れ替わり立ち替わり入ってきます、なかには町の職員の方が出向で来られるケースもあります。なるべく経験豊富な人たちや、やる気のある有能な職員を配置してほしいと思います。なぜなら、やはり住民の合意の上で社協を運営してほしいという気持ちがあるからです。それから社協は自治体と住民のパイプ役としてとても重要だと思いますので、そのへんもぜひお願いできればと思っております。
田中 ありがとうございました。それではヘロン久保田さん、お願いします。
●タイムダラーの実践を通じて過疎の村が変わってきた
ヘロン久保田 先ほど話しました関前村に、なぜタイムダラーを紹介したかということからお話しいたします。私は現在?バッフォという企画会社で役員をしておりますが、それ以外に「長寿社会を考える研究会」という任意団体で、元気なお年寄りが社会にどのように貢献ができるだろうか、引退後のお年寄りがどうすれば生き生きと暮らせるだろうかということを研究する会をつくっております。その会ではキャラバン隊と言っていますが、愛媛県のいろいろな市町村にうかがいまして、おいしいものを食べながらお年寄りたちと話しをする会を持っています。そのなかで、ぜひ関前村に行こうという案が出てきました。なぜなら関前村は今、全国第2位に高齢比率の高いところだからです。5年前に既に、高齢比率が40%でした。そこで私たちは大変だろうと思い、実際に行ってみましたら全然大変ではありません。豊かな自然がそのまま残っており、海はきれいで、お年寄りは本当に生き生きとして、昔からある「結(ゆい)」とか「講」などの相互扶助の伝統のなかで、お互いがお互いを助け合って、とても元気に生活していました。
ただ朝までトークと題して島の若者たちと話し合ったところ、実は若い人たちがとても困っており、島で暮らしにくいと言うことを聞きました。神戸からその頃お嫁にきた若いお母さんになりたての人が「島の人たちはみんな私を見ているような気がする」と言いました。村は今治市に行くのに高速艇に乗り30分ぐらいのところですが、そこに赤いTシャツを着てうきうきと出かけていくと島のデッキのところでお年寄りたちが「あの子、何しに行くんやろう」という感じで見ている。「島のお年寄りはみんな私にとって島姑なのです。すっごい暮らしにくい」と話しました。もしかしたら過疎地というのは人口の過疎だけではなくて、コミュニケーションの過程で異世代間の交流がないのではないかと思い、マイアミで異世代間の交流、共同体の建て直しをしたタイムダラーをなんとかしてここに取り入れようということにしました。
社会福祉医療事業団で民間の創意工夫を生かした先駆的な事業に対して助成を行っていることを聞きました。私は企画会社に勤めておりますのでさっそく、先程アナさんが話したような、できるだけ3年後はこのような成果が出るだろうというような企画・提案書を

 

 

 

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